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湧き上がる情→感じる愛情
キスをされる、最初に唇に触れるだけのもの。その後に、頬や首筋、散々チュッチュと音を立てた後に好きだよと呟やかれれば体ではない何処かがふるりと疼いた。

「あずさ、」

名前を呼ばれて目を瞑れば、それが始まり。僕が、深い繋がりを許した合図だ。舌が絡まっているわけだから、なんというか、食べ物では例えられないけれど味を感じる。美味しくはないのだけれど、不味くもない、そんな味。それを感じられるのも最初だけで、後半は吐く息や舌の生ぬるさしかわからない。
どうして、舌と舌を重なり合わせるだけで口の中を舐められるだけで、気持ちが良くなるんだろう。人間っておかしい

にしても、今日の翼はいつもよりもしつこい。いい加減に思い切り息がしたかった。顔が近いことが恥ずかしいだなんて、今更のことなのに、なんなんだわけがわからないのだけれどとにかく、

「もッむ、り…」

恥ずかしい

翼はキスをした後、自分の唇を舐める癖がある。それがなんだか様になっているのが、かちんとくる。それと同じくらい、思う別の気持ちも存在するのだけれど。

服の上から腰を撫でられると、びくりと体が跳ねた。

「びっくりした?」

「べつに、」

腰が性感帯になったわけじゃない。ただ、

唇には届かないかったものだから、開いたYシャツから覗く鎖骨に口づけを。


「梓、怖くない?」

初めて感じたあの痛みと熱さを思い出しただけ。あの裂けるような痛み、実際に少し裂けたけど。は、行為後も僕を苦しめた。腰痛も同じく。痛い目にあった分、今まで翼がそういう風な目をしても宥めてきた。お仕置きではない、怖かっただけ

「…怖いわけないだろ」

真実を言えるわけがなかった。目の前で盛っている想い人を見て、そういう気分になってしまっている自分がいるのに。

「つばさ」

知る限り最大の愛伝達方法が、怖いだなんて

そんなこと




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