小 美味しいものにも棘がある
「キ…キモチワルイ」
「同じく、」
机いっぱいに並べられていたおせち料理は、喧嘩を交えながら食べているうちに空になっていた。
一緒に食べていた、あいつや錫也が呆れた顔で笑っているのが見える。
「哉太がいけないんだよ、責任とってよね」
「何を?人のせいにしてんじゃねえよ、ったく」
いつものやり取りも、力がない。ふにゃふにゃしながらの喧嘩はなんだか甘ったるいと思う。…別に、嫌いなわけじゃないんだが。
「あ、このケーキ美味しそうだな。お前もそう思うだろ?」
「…」
「…」
TVに食べ物が出るたび、目をそらさなければいけないのは…辛い。
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