曇天の中をゆけ 顔を上げずとも聞こえる笑い声が、最近、不快でしようがない。 今までは何も思わなかった。誰にもこんな感情を抱いたことはなかったのに、何故だろうか。 時々聞こえるその名に気になって深く考えるまえに現実に引き戻されてしまう。 いらいらして仕方がない。どうしたら治まるだろうか、この気持ち。弓道?は駄目だ。それで治まるなら苦労はしない。今までだって毎日してきているんだから。寧ろ逆だろう、部活をすると気分が落ち込むのだから。 あぁ、どうしようもない。解決法はなんだ。なんとかしたい。この現状を脱したい。 「梓ー!!!」 この堂々巡りから、どうしたら逃げられるのだろう。 |