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ウェイクアップ


朝比奈家に来て1時間が経ったのでリビングを後にして、俺は可愛い風斗くんのお部屋にお邪魔した。
家庭教師特権で合鍵はばっちりだ。

中に入ると、部屋の住人はまだ夢の中だった。
綺麗な顔に掛かった髪をどけてやる。そのあどけなさには自然に笑みが出た。
この顔にしてあの性格。魅力的な少年だ。

荷物を降ろし腰を落とした。テーブルにまとめておいた資料を取り出す。
今日は元々時間が短めに予定されていたので、起こすつもりはなかった。

大体、彼は基本的に指導が必要なタイプではないのだ。

もぞもぞと動いたかと思えば、お目覚めのようだ。

「おはよう風斗」

眉間に寄る皺、寝ぼけた目

「…ちょっと、気持ちが悪いんだけど。何で起きて早々アンタの顔なんか見なきゃいけないの」

起き抜けの声
可愛い以外の何物でもなかった。布団の下に隠れた場所が朝勃ちしていたら…
焦って隠す風斗…想像しただけで興奮するじゃないか

「それもこれも風斗が起きないからだよ?」

「僕はアンタみたいなプー太郎と違って忙しいの。というかアンタどんだけ待ってんの。起こせばいいでしょ」

時計を見た風斗がそう言った言葉に俺はにやけるのを必死に我慢した。
迷惑掛けたと思っているだろうその発言。突っ込んだら噛みついてくることが分かっているからからかうのも我慢

この先は、もっと仲良くなってからの方がきっといい。
きっとそっちの方が楽しいから。

「へー前に起こしたら怒ったくせにそんなこと言うんだ?」

軽くチョークスリーパーを掛けながら言い返すと、俺の腕をすぐに振り払う。
その表情は、心の底から嫌がっているように見える。

「ああもううざったいなあ」

それが演技かどうかはどうでもいい。
ただ、彼が本当にスキンシップが嫌いなのか。はたまた慣れていない為に拒絶してしまうのか。
そこは非常に気になる所だ

寝ぐせの混じる髪の毛をくしゃくしゃにしてやる
まるで世話焼きの兄のような態度だった

「はいはい怒らないで紅茶飲むでしょ、歯磨いてきなよ。」

「…お腹もすいたんだけど?」

予想通りのその言葉だったのに予想に反して振り払われない俺の手は、未だ柔らかい髪に触れている。
これは意外だ

「ちゃんとご飯作って持ってきてあるから」

それを聞くな否やその場からさっさと動く風斗。
現金な子。そこもまた可愛い

歯磨き中のほっぺがぷっくりしているところも見たい
寝坊助風斗は歯磨きしている時目を瞑るタイプだったらいいのに
でもなあ目を細くしながら機嫌悪そうに鏡の前に立っているのも悪くない
取り敢えず、何をしていても素敵だと思う。

まだばれていないけれど、いつか俺が男もいけるとばれた時、彼はどんな選択をするだろう
どんな気持ちを抱いてくれるだろう

今から、楽しみでならない。
直接ばらすよりももっとじれったい間接的な方法がきっと彼は良い反応をする。

早く可愛がってあげたい
風斗の唇の感触、味、ディープキスは積極的だろうな
でも相手が男だったら、どうするだろう





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