花粉症四季たん
「ン…な、に?」
朝起きると目が熱い。
鏡で見たら、白目の所まで赤で染まっている。俺は、うさぎになるのかもしれない。いや?うさぎにも白目はある?覚えている最近のうさぎを思い出す。浮かんだのは、柔らかな毛の感触とひくひく動く耳と鼻。その姿には少し不釣り合いな足。駄目、だ…眼球まで、意識を向けた記憶…ない。
「ふ、ぇ…っくしゅ!」
鼻水が重力に流される感じ、ぞわぞわする。鼻をかむ。すっきりしない。この不思議な感覚になんて言葉をつけたら、1番近いんだろうか。
考える。
思いつかない。
どこに落ちているんだろうか、この答え…
あの人なら、知っているだろうか
気がつくと、無意識に目をこすっていた。目に良くないって怒られてから痒くても我慢してたはずなのに…痒い?あぁ、俺、今目が痒いんだ。
心無しか頭もくらくらする気がする。風邪…?ちゃんとした生活してたはずなのにな、昨日の朝ご飯だって…お昼と夜はあの人と一緒に食べた。それに、貰ったお菓子も食べたし
ほら、健康的な生活
「こ〜ら四季!」
「あ、」
「今何時だと思ってる!とっくに昼の時間だぞまったく!」
「え?…ほんとだ。時計、見てなかった」
「まあお前のことだからベッドで寝てるだけまだいいのかもしれないがな…いいか、ちゃんと目覚ましはセット」
「くしゅっ」
「ん?なんだなんだ、風邪かー?なんだか鼻声だしな」
ティッシュを手渡しながら、首を傾げる姿は、親父というよりおかん…だと思った。
ゴミ箱の底には、白い絨毯ができていた。俺、起きてから…こんなに使ったんだ
「風邪、かもしれない…頭がくらくらして、目が、痒くて…くしゃみが出て、鼻水がジュルジュル…で奥が、気持ち悪い」
「お前、それ…ただの花粉症じゃねえか?」
「…あぁ」
花粉症、始めてなった
ちょっと辛い
でも、薬とか持ってきてくれるし…いつもより、そばにいてくれるから
「お前に良くないことがあるっていうから心配したのに、花粉症なんだもんな。まぁ、辛そうっちゃ辛そうだが」
花粉症も悪くない…かも
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