【リク】わんこわんこB*

かくして、ふたりと一匹の真夜中の散歩が始まった。
ゆうたの手から伸びる2本の綱は、一本は足取り軽く歩く次郎の首輪に、もう一本は二足で歩くおれの首輪に繋がれている。
この背徳的な状況に、思わず身体を縮めてしまう。

「しょうじ、歩くのおせぇぞ」

「ぅ、だって」

ちんこが半勃ちになってもこもこして歩きにくいんだ。
それに追い討ちをかけるような一言。

「あれ?犬は「わん」でしょ?」

「えっ…」

「ほら、「わん」は?」

屈辱…!
唇を噛んで、震える唇を開いて言った。

「…わん」

「よくできました」

そう言って頭をなでられ、嬉しかった。
自分が畜生に堕ちたと認識した瞬間だった。


しばらく進むと、次郎が草むらで立ち止まった。
しきりに匂いをかいで、マーキングする場所を品定めしている。

これから行われる行為を思うと、おれまで尿意を刺激された。
次郎が片足を上げてマーキングを始めた。

チョロチョロ…

普段は犬のマーキングなんか見ても何とも思わないのに、今は違う。
他人ごとじゃない状況では、過剰に意識してしまう。

「しょうじはマーキングしなくていいのか?」

来た。
おれは腹をくくって立ちションをしようとジャージを少し下げた。

「いやいや、そうじゃないだろ、犬は。ほら、下全部脱いで」

ずるっと下ろされてびっくりした。
そのまま半裸に剥かれてしまう。
なんとなく言いたいことは察知したけど、嫌な予感。
まさか、あのポーズで…?

「なにしてるの?早くよつんばいになって脚上げておしっこしなよ」

有無を言わせぬ口調。
そうだ、今のおれに人権はないんだ。

観念して地面に手と膝をついた。
そして右足をおもいっきり上げると、それにつられてちんこも45°くらいの角度になった。

さあ、いよいよマーキングだ。

「ん、んん、んっ」

あれ?出ない。
お茶を1リットルくらい飲んできたし膀胱がぱんぱんな感覚はあるんだけど。
外でする緊張感で括約筋が閉じてしまっている。
ちんこと下腹に意識を集中させて押し出そうとするけど、なかなか言うことを聞かない。

「どうしたの?」

ゆうたが目の前にしゃがんで覗き込んできた。
でも、人語を話せないから答えられない。

「かわいく「くーん」って鳴けたら手伝ってあげてもいいよ」

かわいくって、なんだそれ。
なんて羞恥プレイだ。

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