たのしい尿検査C*
「…ゆうた」
「あ?」
こんな変態なことできる友だち、そうそうできないよな。
いや、それ以上に、ゆうたそのものが、おれは…
「…す、ぁああっ」
言葉頭を発しかけたところで、膀胱が空になる。
最後のおしっこに尿道の内側を引っ張られるような、内臓まで抜け落ちそうな切ない感じがした。
不意の強い快感に力が抜けてしまう。
ぴちょん、ぽと、
先っぽにぶら下がった雫が水面に落ちる。
詰めていた息を吐きだすと、急激に倦怠感が襲ってきた。
思わず壁にもたれかかる。
ふとゆうたを見ると、コップを持った体勢のままくすくす笑っていた。
「な、なんだよ」
「ふへへ、しょうじ見てこれ。ソーダフロート」
意味が分からないが、ゆうたが指さしているコップを覗き込んだ。
「!!」
そこには、やはりなみなみと注がれて泡立つ黄色いおしっこ、
そしてその表面に白濁色の粘液が糸状に浮いていた。
「びびったー。急にびゅるるーとかいって精子出てくるんだもん。そんなに気持ちよかった?」
最後のあの快感は射精によるものだったのか。
納得してる場合じゃない。
まずい、このおしっこ提出しなきゃいけないのに。
「どうしよ。これうまいこと精子よけて入れれるかな」
「さあ、がんばってみたら?もしだめだったらおれのしょんべん分けたげるし」
「ばっ…ばか!」
たしかに十分すぎる量はあるけど、それって大丈夫なのか?
全く同じってばれたらすごく怪しいんじゃ。
そんなばかばかしいやりとりをしながら、今年の検尿は終わった。
来年もまた…とか考えてしまう自分がいちばんばか、と思いつつ、おれの口元は笑っていた。
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