たのしい尿検査@
今年も、あのイベントの日がやってきた。
「検尿の容器を配ります。明日の朝、保健委員に提出してください」
物心ついた頃から、なぜか検尿にはわくわくした。
いつもは汚くて触らない液体を、コップに溜めて容器に移して、学校に持っていくなんて、非日常的で。
中学に入って、ゆうたとそっち系の趣味を共有して以来、検尿がますます楽しみになった。
明日の朝のことを思うだけで、テンションが上がる。
いま、検尿セットを受け取りながら、ゆうたも同じように興奮しているかも、と思うと、いよいよ股間が熱くなってきた。
「しょうじ、あのさ」
帰り際、ゆうたがこそこそと耳元に寄ってきた。
「明日の朝、早めに学校来れる?」
もしや、あんなこと、だろうか。
「来れるけど、なに?」
「尿検査さあ、ふたりでとりあいっこしねえ?」
さすがゆうた、考えてることほぼ同じだ。
まあおれは見せ合っこくらいを妄想してたから、ゆうたの方が一枚上か。
「バカだなお前。いいよ、じゃあいつものトイレでな」
翌朝、おれは検尿セットを握りしめて、空き教室の階のトイレに立っていた。
ドキドキして、無駄に早起きしてしまった。
家でトイレに行ってないから、まだ朝立ちもおさまってない。
ゆうたが来るまで我慢できるかなあ、と思ったそばから、足音が聞こえた。
「あ、いた。お待たせ。さっそくやろーぜ。おれもうおしっこ漏れそう」
マイペースなやつだな。まあおれも色んな意味でやばかったからちょうどいいけど。
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