いっぱい飛んでけ!C*
扱いているのがゆうたの手ってだけで過敏になってしまう。
じりじりと痺れるような快感。

「ああ、ふ、ん」

「きもちい?勃ってきたよ?」

ねちっこく緩急をつけられる。
本当は悶えるくらい気持ちいいけど、恥ずかしくて口には出せない。

「よかったあ、ご機嫌なおったみたいで。ほら見てみ?きもちいーってぷるぷるしてんの」

「や、言うな…あっ!」

じゅくじゅくじゅくじゅくじゅくっ!

抗議の声を遮るように、急に激しく扱かれた。
確実に追い詰めるための抽送に、おれは翻弄されてしまう。
だらしなく口を開いたまま、咽の奥から甘い喘ぎが上がるのを止められない。

「あっ、あ、あ、ゆた、あ」

脳までじんと熱くなる。
一気に限界が近づいてくる。
ついに登り詰めようとしたその瞬間、

ぎゅうっ

「あああっ」

熱い奔流を根元でせき止められた。
苦痛で、悲鳴に近い声を上げる。

「なん…で…」

「いっぱい飛ばそうと思ったら、それだけ我慢が必要だろ?」

ひどい。
それはおまえが勝手に考えた実験だろうが。

快感の波が引いたと思ったら追い上げられ、いく直前でまた止められる。
いきたいのに、出せない。
絶頂ギリギリのラインをさまよい続け、もう息も絶え絶えだった。

「そろそろ出したい?」

「出さ、せ、たのむから…」

「おっけ」

右手をいままでで一番速く動かすゆうた。
尿道を散々往復した精液が、再び上がってくる。

「あ、でる、でる、んああっ」

「しょうじ、腰!突き出せ!」

とっさに言われたけど、そんな余裕あるか!
じらされまくった後の射精は、気が遠くなるほど気持ちよかった。
飛んだかどうかなんて正直どうでもいい。

「しょうちゃんもっといきんで、飛んでないぞ」

知るか、と思いながら自分のそこに目を落とす。
確かに長い噴射ではあるものの、全くと言っていいくらいに飛んでない。
白濁液が尿道口から垂直にこぼれ落ちていく。

内心、ああ、やっぱりと思いつつ、最後の一滴を見届けるまで放心状態だった。
あとは、すがすがしかった。

膝が抜けてしまったおれを、ゆうたが抱きかかえてくれる。
それに甘えておれはけだるい身体を預けた。

「どうだった?」

ゆうたが聞いてくる。
楽しそうに言うもんだから、答えづらい。

「けっきょく、全然飛ばなかったな。ごめん」

「いやいや、そうじゃなくて。気持ちよかった?って聞いてんの」
「へ?」

あ、そうか。
ゆうたも同じなんだ。
おれが、途中から結果はどうでもいいと思ったように、
ゆうたも、気持ちよければそれでいいって。
なんだ、けっきょく考えてることいっしょじゃん。
だったら、

「言わなくてもわかるだろ」

「わかるけど言ってほしいの」

「言わねーよ」

「しょうじの口から聞きたい!」

「やなこった」


あとは帰り道も別れ際もずっとこんな調子だった。
馬鹿だなあって思うけど、なんか楽しくて、やっぱゆうたが好きなんだなって、悔しいけど思ってしまった。

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