【リク】ふたりだけの体育@*
「ゆ…た、も、いい、から…」

「んー?なにが?」

比較的使う人が少ない、特別教室棟の男子トイレ。
埃っぽい壁に、水っぽい音が響く。
音の発生源を考えると恥ずかしくなるから、意図的に無視する。

「だからっ、ゆび、は、いいから…」

「指じゃなくて、なにが欲しいの?」

「…っ、あの…」

かれこれ10分くらいだろうか、
律儀にも、ゆうたはおれの尻の穴だけをずっと攻め続けている。
今日はなんのプレイだ。

「うん?」

くそっ、言わせるまで入れないつもりか。
しょうがない。
もう頭がくらくらして腰が砕けそうになってるし、
これ以上は欲を抑えきれない。

「ちん、こ、いれて」

「どこに?しょうちゃんのおしり?このトロトロでゆるゆるになっちゃったおしりに入れるの?」

誰のせいだよ。
お前が散々引っ掻き回したんじゃねえか。
どうしてくれんだおれのしりをよ。

「あ…、そうだよ、入れろって」

「んー」

まだいじってやがる。
だからそういうのも全部性感になるんだよボケ。

「入れろぉ、はやくっ」

「はいはい、」


キーンコーン…


「「げ…」」

「次5時間目…体育だよな」

「やばい急げ。ジジイ遅刻には厳しいぞ」

「あっ、ちょ、まて」

ゆうたはおれのパンツとズボンを上げると走りだした。
おれはチャックとベルトをはめながら必死にそれを追う。

このときはまだ良かったんだ。
急ぐことで頭がいっぱいだったし。
地獄はそれからだった。


点呼にはギリギリ間に合った。
準備体操の屈伸でしゃがんだとき、

むにっ…

尻の穴にいやな感触がした。
直腸から、弛みきった肛門を飛び出したそれ。
ほんのちょっぴりだけど、この熱い物は…

やばい。
ハーパンもトランクスもすかすかだから、下手したら産まれ落ちる。
それだけは避けねば。


「先生」

「どうした、顔色悪いな」

「ちょっと具合悪いみたいで…」

切羽詰まった顔で行くと、ジジイは意外とあっさり逃がしてくれた。


向かうべきはまずトイレだ。
グラウンドの隅の公衆便所に、早足でできるだけそっと歩いた。
今だけはグラウンドの広さが憎い。


やっと着いた。
男子トイレに入ろうとしたおれの腕を
急になにかが引っ張った。

「うわっ」

危ない。
いきむところだったじゃねえか。
振り返ると、ゆうただった。

なんで追ってきたとかつっこみたいけどそれどころじゃない。


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