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彼女は頬に涙を流しながら、私の前肢に止血帯を巻ました。
私は何年も前にあなたを慰めたときと同じように、彼女の手を舐めました。
彼女は私の静脈に注射の針を挿入しました。
私は針の痛みと、体に流れ入る冷たい液体を感じ、横たわりました。
私は眠気に襲われながら彼女の目を見つめ『どうして……?』と呟きました。

おそらく彼女は私の犬の言葉が分かったのでしょう、『本当にごめんなさい…』と言いました。
彼女は私を腕に抱きました。そして『あなたはもっと良い場所へいくのよ。』『ないがしろにされたり、虐待されたり、捨てられたり、自力で生きていかなければならないようなところではなく、愛と光に満ちた、この世界とは全く違う場所に、あなたが行くのを見届けるのが私の仕事なの…』と、急ぐように説明しました。


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