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そして、あなたは別の街で新しい仕事をみつけ、みんなでペット不可のマンションに引っ越しをすることになりました。

あなたは『自分の家族』のために正しい決断をしましたが、かつて、私があなたのたった一人の家族だった時もあったのです。

私は久々のドライブで、とても嬉しかった……保健所に着くまではー。

そこには犬や猫たちの、恐怖と絶望の臭いが漂っていました。
あなたは書類に記入を済ませて、係員に『この子によい里親を探してくれ』と言いました。
保健所の人は肩をすくめて、眉をひそめました。彼らは知っていたのです。歳を取った成犬たちがーたとえ『血統書』付きでもー 直面する現実を……

あなたは『パパやめて、ボクの犬を連れて行かせないで!!』と叫ぶ息子の指を一本一本、私の首輪から引き離さなければなりませんでした。

私はあなたの子供のことを心配しました。何故なら、あなたはたった今、このことを通して友情、誠実さ、愛、責任、そしてすべての生命への尊重の意味を、彼に教えたのです。
あなたは私の頭を軽くたたき『さよなら』と言いました。あなたは私から目をそらし、首輪とリードを持ち帰ることさえ、丁重に断りました。

あなたにとって守るべき期日があったように、今度は私にも期日がやってきました。

あなたが去った後、優しい女性係員が二人やってきて言いました。
『何ヶ月も前からこの引っ越しのことを知っていたはずなのに、里親を探す努力もしなかったのね……』と。
彼女たちは首を振りながらつぶやきました。『どうして……?』


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