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お茶請け代わりにお話しましょう
その日、お茶会はなかった。準備をする宮藤、リーネが2人共休暇で基地にいなかったからだ。
食堂に来て2人がいない事を思い出したペリーヌは、仕方ないと専用のティーカップを出して紅茶の準備をした。お湯が沸くのを待つ間、リーネから借りた小説を読んでいると、機嫌良く歌を口ずさむエーリカがやってきた。


「芳佳はお豆で小さくてぇ〜♪シャーリーでかすぎドテかぼちゃ〜……っと、ペリーヌじゃん」

「……なんですの、その調子の外れている歌は」

「これ?おっぱいのうた」

「……」
バルクホルンを見習い、エーリカの相手を早々に諦めたペリーヌは読書に戻る。エーリカも気に掛けず歌の続きを再び口ずさみ始めた。

「リーネはある意味エース級〜……て、あれ?今日はおやつないの?」
リーネの名前が歌詞に出てきて、自分が食堂までやってきた意味を思い出したエーリカはペリーヌに問い掛けた。

「宮藤さんもリーネさんも休暇で出掛けてますから今日はありませんわ」

「えぇー?おやつはー?」
駄々をこねるエーリカにエースの影は見えず、思わずため息をついてしまう。お湯が沸いた頃合いだと、膨れっ面のエースを無視してキッチンに入った。


「……ハルトマン中尉?」

「うん?」
何も言わずに後ろをついてきたエーリカに再びため息。おやつがあるとでも思われているのだろうか。


「何度も言いますけど、今日はおやつありませんわよ?」

「うん。さっき聞いた」

「わたくしについてきても、お菓子はありませんけど?」

「え、じゃあどうしてペリーヌがキッチンに入るの?」
……やっぱり、と呟いてペリーヌはこめかみを押さえた。お菓子を隠し持っているとでも思っていたのだろう。


「……て、ちょっと失礼だと思いませんっ?その言い方。わたくしだって、キッチンに立つことぐらいあります!」

「ホント?すごいなー、私はトゥルーデ達から止められててさぁ」
素直に感心され、ペリーヌはたじろぐ。少しだけ張った見栄が何故か恥ずかしい。


「ま、まぁその……お茶を淹れるくらい、ですけど」
たまらず、見抜かれていない見栄を剥がして本音をこぼす。それを知ってか知らずか、エーリカは「それでも凄いって」と笑った。もし相手がエイラやシャーリーやルッキーニなら、またからかわれただろうか。あまり経験したことのない反応にペリーヌはどう返せばいいのか分からずに、唇を尖らせた。


「……お菓子はありませんけど、」

「へ?」
お詫びに、と心の中で付け足したが自分でも何に対するお詫びなのか分からずに苦笑。


「お茶くらいなら、ご馳走しますわ」
棚からもう1つカップを取り出して微笑みに切り替えると、エーリカもニカッと笑った。







――――

10000hitリク「ペリーヌ受け」ということで、名無しさん、お祝いありがとうございました!


犬受け、もっと増えるといいですよね!ブックマのエーペリver.が大好きです!


名無しさんのみお持ち帰り自由です。

ありがとうございましたー!


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