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届かない 届いてない
ガリア復興に携わって、私の身には変化がありました。

花の名前をたくさん覚えました。
泥に塗れながら作業する楽しさや素晴らしさを知りました。
ペリーヌさんと毎日同じように過ごして、一緒にいる時間が増えて。ペリーヌさんの好きなものをたくさん知りました。

……ねぇ、ペリーヌさん?私、このままずっとペリーヌさんの隣にいたら、もっともっと変われるのかなって、ちょっとだけ思ったりするんです。





***

「ペリーヌさーん。そろそろ夕食にしませんかー?」
資材を片付けていたペリーヌさんに声を掛けると、彼女は「そうですわね」と言う声が返ってくる。
小さな村が出来、少しずつだけど人が戻ってきたガリア。もう多くの人は急拵えの家に帰って行った夕暮れ時、最後の最後まで残っているのはいつもペリーヌさん。


ガリアを解放してから復興のお手伝いをしている私は、ペリーヌさんと一緒に小さな小屋(家と呼ぶには小さな建物)に住んでます。私が芳佳ちゃんに教えてもらった扶桑の料理をテーブルに並べていると、戻ってきたペリーヌさんは手を洗ってから席に着きました。


「ペリーヌさん、今日もお疲れさまです」

「このくらいで疲れたなんと言うようじゃ、復興なんて夢のまた夢ですわ…」
気丈に言い返すけど、最近は休み無く働いているペリーヌさんに疲れが溜まっているのは誰が見ても明らかで、私は苦笑いを返すしかできない。



ペリーヌさんはとても強い人。だけど誰よりも儚い人なんだと最近は思います。
例えるなら、硝子のような人。綺麗で少しの衝撃ならものともしないけど、少し大きな衝撃を与えるとあっけなく割れてしまう。そんなペリーヌさんを守りたい。それが一緒に作業を続けていた私がたどり着いた答え。


「ペリーヌさん、私、考えたんですけど」

「?」
お箸をテーブルに置いて、ペリーヌさんの目を見据えた。ペリーヌさんも私をみてくれた。


「私、ガリアにずっと居ようかなって思うんです」

「はい?」

「ガリアの復興が済んでも、ずっと……」

「……」
大好きなペリーヌさんの隣にずっといたい。そんな思いを込めながら告げると、ペリーヌさんはポカンとした表情の後、すぐに私から目をそらした。


「リーネさんの言葉、とても嬉しいですわ」

「ペリーヌさん…」

「ですが、帰る場所があるのなら…そこに帰る事をお薦めします。……帰りたくても帰れなくなる日は不意に訪れますから」
もう一度、私の方を見たペリーヌさんは哀しい笑顔を浮かべていました。
こんな笑顔にしたくて提案したんじゃないのに……。ガリアを解放した時のような優しい笑顔が見たくて提案したのに…。


予想通りにいかない事に折れそうになりながら、私は慌てて言葉を紡ぎます。


「えっと、ガリア復興まではここにいても……いいですか?」

「え?……えぇ、もちろん。人出は猫の手も借りたいぐらいいつも足りてませんもの。こちらからお願いしますわ」
いつの間にか優しい笑顔になっていたペリーヌさんに、私は胸を撫で下ろした。


私の思いはちゃんと届いてないかも知れないけど、一緒にいれるなら……それでも、いいですよね?







――――

10000hitリク「溺愛リーネ×鈍感ペリーヌ」ということで、凛さん、お祝いありがとうございました!


×というよりは→みたいになってしまったり溺愛っぷりが出てなかったり……どうにもご希望に添えてない感じがしまくりです。
コレジャナイと思われましたら書き直し受け付けますので!!


凛さんのみお持ち帰り自由です。

ありがとうございましたー!


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あきゅろす。
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