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お揃い色違い
(pkmn)









「どうせならお揃いとか、どうですか?」


水色の水玉と桃色の水玉がデザインされたマグカップをそれぞれ一つずつ手に持って、コトネはイブキに振り返った。何を意識したのか、イブキはみるみる内に赤くなっていく。
コトネとしては別に深い意味なんてなかったのだけれど……。


「……嫌なら仕方ないんですけど。」
コトネは苦笑しながら商品棚に2つのマグカップを戻した。


「……なんでお揃いにする必要があるのよ。」

「や、別にお揃いだったら可愛いかなーって。」

「……それだけ?」

「深い意味はないですよ。」



二人が一緒に過ごすようになって早いことでもうすぐ1年になる。
今日はコトネがしつこい程にイブキの家へと押し掛けてくるものだから、仕方なく、コトネ用の食器を買い足してあげようと考えて二人でコガネのデパートまで買いに来た次第である。
「別に一緒に暮らすわけじゃないから」とコトネにも自分自身にも言い聞かせながら。


「お揃いのマグカップ」に深い意味が、まったくないわけではないけど……イブキのどこか期待するような目を見てしまうと、コトネの発言に深い意味合いが帯びてくる。



コトネがどう説得しようかと考えていると、イブキの腕が商品棚に伸びるのが見えた。


「か、買えばいいじゃない……。」
そう言いながらコトネが押すカートに乗せた買い物カゴに割れないようにゆっくりと水色と桃色のマグカップを割れないようにゆっくりと置いた。


その行動が可愛らしくてコトネは笑顔になった。

「私がピンク、イブキさんが水色ですよっ。」
今日から早速使いましょうね、なんて話し掛けるとイブキは勝手にしなさいよ、とそっぽを向いた。



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