駄文
4
たくさんたくさん泣いて、思い出のあるものは全て処分して、ケータイは会社ごと変え、電話番号もメルアドも変えた。
葉桜になるころにやっとボクはホントに笑えるようになった。
「柚希!」
友達と別れて一人家へと向かう帰り道に名前を呼ばれた。
「柚希やっと見つけた!」
振り返ると見知った顔………勇人が嬉しそうに立っていた。
「俺………お前に別れを告げられてから本当にお前の事が大切だって気が付いたんだ!」
勇人は苦しそうな顔で想いを告げてきた。
「柚希にすぐに会おうと電話したけどもう繋がらなくて、アパートに向かったら解約されていてどこにも柚希はいなくて………柚希のことを本気で好きだからほんとにたくさん捜してやっと会えたんだ」
真剣な目をして一生懸命話をする勇人。
でも……
「うそでしょ?」
「な!嘘じゃない!!柚希のことが好きだかいろんなところを回ってやっと捜したんだ!信じてくれ!柚希!」
泣きそうな顔をして一生懸命訴えてくる勇人。
「柚希……もう一度俺と付き合ってくれないか?もうお前に嘘はつかないし、柚希が好きなんだ。今度こそ大切にするし、お前だけを見ているから……」
泣きそうな顔をして懇願してくる勇人。
「………今さら好きとか言われても信じれないし……付き合うことは出来ないけど、でも友達としてなら……」
「………そっかすぐには信じるとこなんて出来ないよな……わかった、まずは友達からだ。それからまた柚希に好きになってもらえるように努力するよ」
哀しそうな顔をした勇人は、ぐっと唇をかんでか
顔を真っ直ぐ上げてボクを見詰めて頷いた。
「俺、もっと柚希と話がしたいから柚希の家に上げてくれないかな?」
勇人はチラリとボクが入って行こうとしたマンションを見上げた。
「ちょっとそれは………」
「そうだよないきなりだし。久し振りの再会で嬉しくて欲がでちゃったな、今日は帰るよ。でもまた会いたいし連絡とりたいから電話番号教えてくれないか?」
お願いと小さな声でそう言うと勇人。
「ごめん、今日ケータイ忘れちゃって」
「そ、そっか………じゃあ、付き合ってたころ二人でよく行っていたあの店で会わないか?明日、なにか用事ある?」
「ないよ……」
「それじゃあ、10時にあの店で待ち合わせしよう」
そう言うと勇人は「楽しみにしてるから!」とそう言い走ってここから去っていった。
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