長編
6
まず転校生くんの隣に誰が座るかでもめ
次に転校生くんが美味しいっと食べてるご飯を誰がアーンして貰えるかもめ
顔にご飯粒付けてたべてる転校生のご飯粒を誰がとるかもめ
誰かが転校生くんに大好きだと告白すると、転校生くんは必ず「おれもみんなのこと大好きだ!」と博愛っぷりを発揮して
みんなでガッカリしつつ賑やかに去っていく。
「こんな感じかなー。ちょっとだけ変わるけどだいたい毎日この流れ、取り巻きズはケンカしまくり生徒みんな苦笑い」
「プッ。毎日やってんのか?」
「うん、なんか脚本でもあるのか?ってぐらいお決まりの流れてで見ててかなり面白い。今、お昼に転校生劇場観に行くのがオレのブームだからね」
「転校生劇場かよ!」
なんかそのフレーズがツボに入ったらしくて長谷川生徒会長様はヒーヒーと腹を抑えてる。
「長谷川生徒会長様って意外と笑うんだ。勝手に怖い人だと思ってた」
「あー笑ったわ。って別に怖くねーよ。ってかなんだその長谷川生徒会長様ってのは」
「学園内ウロウロしてると会長親衛隊達がそう呼んでるからなんとなく」
学園の中を散歩してるといたるところに親衛隊がキャッキャウフフしてる会話を聞くと、生徒会メンバーとかイケメン達に様付けで呼んでる姿をみる。
「そんな変な名前で呼ぶな。智でいい」
「はーい。じゃあ智!」
「なんだよ、減るから意味もなく呼ぶな。お前は名前教えてくれんの?」
呼べって言ったから呼んだのに減るとかひどい。
「おれは多分、陸太だと思う」
「多分?」
「なんか気が付いたらここにいたんだけど、それまでの記憶がないんだ。なんとなく名前だけ覚えてるだけ」
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