長編
3
すすーっと転校生の横に移動する。

お経か何かかなー?
なになに?

「いーあるさんすーうーりゅーちーぱー!」

なんだ…と…?
お経でもないとな!

転校生くんは目を固く瞑っていたのをカッ!っと見開いた。

「悪霊退散!」

印を結んだような手を会長にむける。

ちなみにオレはその様子を真横で見ているわけね。
そしてオレは霊なんだけどね。

ププッ

ウワー!とかいって、祓われたふりでもしちゃう?

「よし!これで智に取り憑く悪霊はいなくなったぞ!」

転校生くんが威張ったように会長に言うと、後ろの取り巻きズがら歓声があがる。

ちなみにここは食堂なので学園の生徒さん達もいるがみんな、遠巻きに見ててちょっと半笑いの人もいる。


何も祓えていないお祓いをして自慢げな転校生くん。
それに感動する取り巻きズ。
微妙な生徒達の顔。


シュールすぎる。
やばい、笑えてきた!

「うははははは!なんだこれ?」

床で転がる趣味はないので浮きながら可笑しくてお腹を抱えてクルクル回る。
やばい!ツボに入ったわ!


「会長に悪霊なんて取り憑いてもないのにどーやって祓ったんだよ」

「なんだやっぱり憑いてねーんじゃねーか」

「そうだよ憑いてたらもっと憔悴してるだろうし、この学園の霊って猫の霊以外はオレしかいないし」

・・・・・・・
・・・・
・・・あり?

くるんと回転してそっちを見ると目があった。

「か、かいちょう?さま?」

目があったのは天下のイケメン俺様生徒会長。
偉そうに腕を組んでニヤリとこっちを見ておりました。





ん?もちろんマッハで逃げたよ。

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あきゅろす。
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