長編
③
今でこそこの学園も平和だが、少し前はかなり荒れていて強姦などがあったこともある……。
だいたいそのターゲットにされていたのが学園で美人やかわいいといわれる容姿をしていた生徒達だった。
ちなみに現在チワワのようなかわいらしい容姿をした生徒達はほぼ陽斗教……陽斗親衛隊に入っておりそのかわいらしい容姿からは信じられないほどの武闘派集団となっている。
とある生徒が体育の着替えの時にドキドキワクワクしながら横で着替えていたカワイイ親衛隊の裸を盗み見るとバッキバキに割れた板チョコを彷彿とさせる腹筋を目撃し涙したという。
さらにに噂によると親衛隊隊長の腹筋は製氷用のプラスチック容器のような腹筋をしているらしい。
陽斗が一生懸命していた説明を静かに聞いていた生徒達も陽斗がストーカーに狙われているかもしれないということに怒りを覚えていた。
この和泉陽斗という人物は見た目は神が育てた花のごとく美しい容姿をしている。
だがその内面は非常にかわいらしい性格をした人物なのだ。
極上の容姿を鼻にかけることはないし、ほわほわした雰囲気や話し方、少し……だいぶ勉強が苦手のようだが一生懸命授業を受けて頑張っている姿、困っている生徒や先生がいるとさりげなく手伝いをする姿、時代劇が好きだという容姿には合わない趣味もすべてを合わせ人を惹きつけてやまないのだ。
そんなこの学園の天使にストーカーという危険が迫っているかもしれないと思うと我が子のことのように本気で心配をしてしまうのも無理はない。
どうすればいいのだろうか？と生徒達が頭を悩ましているとこの食堂でもっとも怒り狂っているはずであろう二人は……
「大丈夫じゃないか？」
「大丈夫ですよ？」
と言葉を発した。
すでに抹殺されたのか？と生徒達が思っていると。
「俺が毎日陽斗が学校から寮に帰るのを後ろで見守っているがそれらしい人物はいないぞ？」
「僕は陽斗さまが毎日帰ってる姿をしっかりと後ろから見守っていますがそんな怪しい人物なんていませんでしたよ？」
（ーーー毎日、こいつと鉢合わせになるが……）
（ーーー毎日、これと鉢合わせになりますが……）
と、龍也と楓はそう言い陽斗を安心させるように微笑んだ。
「そっか～！じゃあただのおれの気のせいだったんだ～。よかった、ふたりがそう言ってくれるなら安心だよ～」
と、ほっとした様子を見せる学園の天使に生徒達の心は今確かに一つになった。
安心やないで！
そいつらが犯人や！
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