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06.




キーンコーンカーンコーン……。
キーンコーンカーンコーン。



『よっしゃ―、終わった―!!』



四天宝寺とはちょっと違う学校の終わりを告げるチャイムに違和感を覚えながら、鞄を手に取り、ドアへと足を進める。

友達Aちゃんも、友達Bちゃんも今日は部活があるらしいから一緒には帰れないらしい。残念だ。

まあでも今日は部屋の荷物をどうにかしないといけないし、お隣りにも挨拶に行かなければならない。
お隣りはあたしと同い年で、部活に入っているらしいから、挨拶に行くのは夜になる。
それまでに部屋の片付けを終わらせなければな…。


あたしは片付けが苦手だから、気が重くなる。
取り敢えず早く帰ろう。








































































何故だろうか、何処からか視線を感じる。


靴箱の辺りから視線を感じていたが、自意識過剰なOLにはなりたくなかった為、あたしの気のせいだと信じ此処まで来たのに。


やっぱり気のせいじゃないらしい。
何これ、あたしいつの間に転校初日からストーカーされる様な魅力を取得していたの。
しかもストーカーがどんな人物か、丸わかりだし。
交差点とかにあるあの鏡にストーカーが映ってる。おいおいストーカー、もっと上手くしろよ、と言いたくなるぐらい丸見えである。


特徴を覚えていた方が後々役に立つだろうと思い、ちらちらと振り返ったりしながら確認する。


え―と、ストーカーは男で……テクノカットみたいに切り揃えられた髪型に、目を閉じているのかわからない糸目。
後手に何か書くもの持ってる。……おいおい何書いてんの!何、まさかあたしの家までの地図とか書いちゃってんの!?駄目だよ犯罪だよ、そんな事するならお金くれよお金!!



怖くなってあまり速くないこの二つの大根で走りだした。
ちょこちょことした小道を選んで走り、路地裏にしゃがんで隠れて息を整えた後、ストーカーを巻いたかを確認し、安全だとあたしは判断するとゆっくりとしたあしどりで家へと向かう。






































はて、ストーカーを巻いたのは良いがあたしは迷子になってしまった。
何処此処あたしこんなとこ知らないよお母さん、助けてよお母さん。











































結局あたしは心配によりじわりと姿を表した体液で目を潤ませながら交番に行き住所を教え、何とか家についた。
1時間30分かかった。


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