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04.



『ありえない…』


あたしは切原のあの説明で3-Bに着いてしまった。
あの説明で、である。あの説明で、あの説明で!!!

あ、あたしが天才的なのかな☆
なんつって。


いや、良いから開けようぜ自分。
これ以上遅れちゃあれだし。


―ガラガラガラっ

『失礼します、此処3-Bですよね?』


不安そうな感じで、教室に入った。

ら、ですね。

先生がものすごい形相でこちらを見てくる。

「っあああ!!!栗木田!!」


―ガッ!!

先生に肩を掴まれて前後にがくんがくんされる。
ちょ、止めて、頭が、頭が馬鹿になる!

てか!!


『うわやだ肩掴まないでください先生キモイです!!』

「お前どこに行ってたんだ!先生探したんだぞ!」

『ごめんなさい、先生。
……私、地図が読めないんです

「……方向音痴なのは聞いていたが此処までとは」


オサムちゃんそんな事まで言っていてくれたのか。
有難うオサムちゃん。

お陰で恥をかきました。


クラスメイト「せんせ―ぇ、その子が転校生ですか―?」

「そうだぞ―。ほら、自己紹介しなさい」

『はぁい。
えと、大阪から転校してきた栗木田杏子って言います。
短い間ですが、宜しくお願いします』


ぱちぱちと周りから拍手が聞こえる。
クラスのムードメーカーらしき人は"宜しくな!"とか叫んでる。

有難う名も知らない少年!
此方こそ宜しく頼むぜ!!!


「じゃあ、栗木田はあそこの席な。
教卓の真ん前だ!」


わ―いやった―教卓の真ん前だ―。
いやあ私目ぇ悪いから小学校の時から前の席だったんだよね―。

だから前の席で寝る事も可能にしたんだぜ。


「シクヨロ」


軽く手をあげてポーズ。
そしてウインクぱちーん。

………うわあ。

ちょ、見てくれよこのトリハダ―。
お前のせいだよこの赤毛。
お前みたいな赤毛は髪の毛白に染めちまえ。

ちら、と隣の席の奴を見てみる。

隣の席の人はただならぬ色気を放つ頭髪の色が残念な人だった。

……白髪居たよ!!
ごめんねごめんね、迷惑じゃなかったら白髪染めあげるね!

てかこの人ら見た目からしてチャラ男さんじゃないですか。


『うげっ』


うおやっべ。声に出しちゃったよ。

でも嫌だし。
普通に嫌だし。

仲よく出来る気がしません。
今すぐに大阪に帰りたいホームシックです。

取り敢えず指定された真ん中に座った。

すっげぇ嫌そうな顔してる、と思う。
鞄から筆記用具とか出して一切目を合わせない感じで頬杖をついて不機嫌そのものって感じで黒板を凝視。

「な―、俺丸井っつうんだけど。
何?シカト?」

『栗木田。
別にあんたの事知ってるし』


ちなみに白髪も知ってるよ、仁王って言うんでしょ。

あんた達目立つ頭してるからね―、覚える覚える。
(だって見るからに自分かっこいいって自覚してそうだもん。
あたしにはこいつらがイケメンには見えんがな)


「俺のファンな訳?」

「違うじゃろブンちゃん。
俺のファンじゃからブンちゃんの事も知っとるんよ」

『仁王のファンでも丸井のファンでもない。
ただ顔と名前を知ってるだけだし。
あたしあんた達には興味ないから、他の女子に媚び売れば?』

「ちげ―よ、よって来るんだよ」

『そして女遊びなんざ初めてみろ。
あたしが迷わすお前を断罪してやるからよ』


勿論本気である。


「何じゃ、面白いヤツじゃのう。気に入った。
親睦の証に握手じゃ」


何故お前と握手をせねばならんのだ。
断固拒否である。こら、勝手に手を取るんじゃない!

唾かけたろか、つペペペペっ!!!


先「その前にお前ら三人廊下に出とけ。
お前らのせいで授業が進まねぇ」

『えっ嘘!!
ヤですよ、何で転校早々廊下行きなんですか!!』


四天宝寺でも廊下常習犯だったんですよ!
お断りします、なんてあたしの悲痛の叫びも無視された。

まあなんて冷たい人なんやろう。←


先「お前ら声がでかいんだよ。
早く行け」

『丸井と仁王のせいです!!
丸井と仁王が構ってぇって言うから相手してやってるだけです!
私何も悪くありません!!』

「はあっ!!?
人が折角仲良くしてやろうってのに何だよお前!!」

『黙れやナルシストが!!
何か知んないけどちょっとモテるそうだからって調子のんなよ!!』

「良いから早く出なさい」


丸井とお互い立って口喧嘩をしていると襟を掴まれて廊下に放り出された。


「っおい仁王!!テメ―もこいよ!卑怯だぞ!!」

『そうだそうだ!!
自分だけ逃れようとしてんじゃね―ぞこの白髪!!』

「銀色じゃ、よく見てみんしゃい」

『えっ、嘘。
うっわ紛らわしい銀色だなおい』

先「お前らもう帰れ


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