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02.



そろそろと廊下を歩いて行く。
とにかく声のする方に行ってみる。

一応地図も貰ってるけど、意味をなさないし。(読めないだけ)
ていうか私のクラスってどこだったっけ。


「―――…!」

『…?』


誰かの声がする。
声のする方は二年生の階だった。


「あ―、ったく何処やしたっけ…」


…れ。
この声は何処かで聞いた事がある、よ。

えぇっと…。

嗚呼、もう。思い出せないな。
取り敢えず顔を見たらわかるかなぁっと。

声のする教室をひょこっと覗いてみる。

誰もいない教室。
机の辺りでもぞもぞとワカメが動いてる。


………ワカメ、立海、二年…。


『嗚呼っ思い出した!あいつ立海のワカメだ!

誰がワカメだ!!!

『あっヤベッ』

「…あれ、アンタ……」

『ところでワカメ君や』

誰がワカメだ

『あ―、すまんがあたしは君の本名を知らんのだよ。
という訳でワカメ君』

「切原赤也だ」

『切原よ』

呼び捨てかよ

『今日転校生が来るらしいのだがその転校生が来るクラスを知らんかね』

「あ―…っと、確か丸井先輩が来るって言ってた様な……」

『まじすか。
それで、その丸井先輩とやらのクラスは何処かね』

「え、3-Bだけど」

『有難う少年!3-Bだな!!
ところで少年もう一つ聞こう、その3-Bとやらは何処かね』

「其処をこういって、あそこをああいった処にあるよ」


教室から出て、道順を指して教えてくれている切原。

見ず知らずの奴になんて優しい奴なんだ、とか思ったが
こいつの示す道順がいまいちよくわからん。

取り敢えず可愛そうなので有難うと言っておこう。


『なるほど、有難う少年助かったよ』

「別にいいけど…。
アンタさ、見ない顔だよね。何、転校生?」

『おう、転校生』

「しかも俺アンタの顔どっかで…」

『嗚呼、私もお前の顔を知っているよ。
ふむ、名乗らないのは失礼かな。本名聞きたい?』

「どっちでもいいわ」

『そうかそうか聞きたいか!なぁ―らぁ―ば、教えてやろう』

「うわ、うざっ

『私の名前は栗木田杏子な。
今日から3-Bになるんだ。まあもう二度と縁は無いだろうけど、宜しく』

「あ、こちらこそ」

『じゃあ私はもう行くけど、君は行かなくていいのかね?
見た処何か忘れものを探していたようだが…、早く行かないと怒られるんじゃないかね』

「ああっ!そうだった!
てか、それはアンタのせいじゃねーか!」

『はは、私はあんたみたいな馬鹿好きだけどな』

「チクショ―!
怒られたらアンタのせいだかんな!覚えとけよ!!」

『はっはっは、何処のザコキャラだ


切原は埃が舞うような勢いで走りさった。
うわ、本当ザコキャラみたいな退場の仕方。

取り敢えず、私が転校予定のクラスもわかった事だし、私も行こうじゃないか。

…にしても、私に気付かないなんて馬鹿な奴―。
負けた学校の奴には興味無いってか?

元王者は怖いねぇ。


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