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目が覚めた後、自身の手で傷ついた相手を見るのも
その相手に恐怖のまなざしを向けられるのも

その全てが柴にとって苦痛だった

柴と正一は夢の中でのみ会話を交わすことが出来る
完全に分離した固体として、夢の中では存在することが出来るのだ

その夢の中で何を正一に言ったところで無駄だったのだが

自分はこのままでは誰とも関われない、そう言った時正一は笑顔で言ったのだ

どうせ死ぬときは、一人じゃないから安心して?

その言葉を聞いた時柴は理解してしまった
これは正一の無理心中なのだと

自分意外とは誰とも最期を迎えることは許さないという宣告

人間は死ぬときは一人だとよく聞く
だが自分は、自分達は一緒なのだ

死ぬ最期の瞬間まで

それに柴は半分の安堵と、半分の絶望を感じた
どんな時でも一人にはならない、けれど誰とも幸せにはなれない
そう、諦めていた

だからこそあの時07に怖くはないのかと問うた時に07の戻ってよかったという言葉に救われた

正一、という人間ではなく自分を、自分自身として見てくれた
脅えずに笑って接してくれる07

今更になって諦めようとしていたものを諦めきれなくなっている

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