19 「まぁな」 「否定しないのかよ」 「だって俺美人じゃん」 そういいおどけた様に笑んでみせたが205はただ無言でこちらを見つめてきただけだった 何も言わない205に07は外したかと少し気恥ずかしい気持ちになりつつ言う 「じょ、冗談だって突っ込めよな」 「...そう言われてもマジに綺麗だしな」 「ッ...そ、そうかよ」 ふざけた様子もなく言われ妙な照れを感じ07は話題を変えようと話を振った 「そ、そういえばさ...審査員ってなんの為にいンだ?囚人の投票制だったじゃんか」 「あぁ、審査員は持ってる票数が違う。囚人が1票に対し審査員は10票だ」 「なるほど...納得」 そこで話題が途切れてしまい07は気まずげに目を伏せる それに気づいたのか205はふとしたように口を開いた 「...さっきは悪かったな...色々重ねちまって」 それだけでなんのことか察しがつき07は眉を寄せつつ言う 「...もう重ねるなよ」 「わかってる...つかお前じゃ役者不足だしな」 「なっ失礼だぞ」 言うと205は屈託のない笑みを浮かべた 普段とは違う格好のせいか、それともこの穏やかな空気のせいか やたらと205が男前に見え07はそれが面白くないな、とそう思った ...俺はこんな格好なのにな... [*前へ][次へ#] |