14 じわじわと胸を覆うような黒い感情に58自身驚く ...何でこンな苛つくンだ...? 58は07を見つめ眉を寄せた 07の様子から助けてもらった、ということだけではなさそうだと予想がつく 妙に喉が渇くのを感じながら58は息を吐いた 「...で?」 「え...だから」 「俺が聞いてンのはその後だ」 58は問いつめるように07を見つめた その瞳にほんの少し焦りの色があることに07は気付かない 「...だから...ソイツ等に薬使われて...」 「へェ?アイツとヤッたわけかよ」 遠慮のない物言いに一瞬で07の顔が赤く染まる それは最早返事を聞くまでもなく事実なのだと肯定していた 58は思わず舌打ちし07から目を反らす 07が大勢に汚された過去など知っていてそう仕向けたのも自分だった なのに柴に、と思うと苛立ってしょうがない 「...あのデコ野郎...」 「な、何でアンタが怒ってンだよ...?」 「怒ってねェよ...別に」 明らかに不機嫌そうにそう返す58に07は気まずげに頭を掻いた [*前へ][次へ#] |