4* 抱きしめてモノにしてしまいたい そんなことを考えている自分に柴は頭を振る おかしい、男相手に...犯罪者相手に何で俺が... こんなにも強く何かを欲したのは始めてのことだった 女相手でさえ淡白な自覚があるだけに柴は困惑する 刑務所の中では常識など全てが狂っているように思えるがその中でも自分はマトモであったハズだ なのにその常識を捨て去ってしまっても構わないほど07に欲情している自分がいた 「し、ば...柴ぁ...」 涙目で自分に縋って来る07を見つめ柴は困ったように眉を寄せた 本人に自覚などないのだろう 無意識に名を呼ぶその声が酷く甘い響きを持っていることなど 名を呼ばれる度頭が、 胸が焼けるような痺れに襲われることなど きっと07はわかっていない わかっていない07相手にその責任を取れなどと傲慢になることは柴には出来なかった 自分はここの刑務所の連中のようなけだものではないという微かな自尊心もある 辛うじて理性を保ったままなんとかリングを外すことができ、柴は安堵の溜め息をつく 「取れた、ぞ...」 「ん...さん、きゅ...」 07はいまさら恥ずかしくなったのか顔を赤くし縮こまった [*前へ][次へ#] |