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汚いなんてそんなこと全然ないのだ

生きる為に、のし上がる為に大概のことはやって来た
罪悪など感じず自分さえ良ければいいとそう思っていた

そんな自分などより遥かに綺麗なこの男が何故そんなことを言う

「オマエが汚ェってンなら俺のがもっと汚ねェよ」
「...でも」
「言わせねェよ...オマエは綺麗だ」

58はいつになく真剣な表情でそう言った
思ってもみないことを58に言われ07は動揺したように言う

「どうして、そンな風に言うンだよ...アンタは俺の事嫌いなハズだろ...?」
「...嫌い、じゃない...」

58は言いにくそうに口ごもり続ける

「俺は...オマエが...」

ドクドクと心臓の音がうるさい
58は何故か余裕のない自分に困惑した

...俺はコイツに何を言おうとしてる...?

答えの見えている自問自答だ
嫌いじゃないならば答えなど決まっているというのにそれを告げようとすると息が詰まる

「だから...その...俺は」

意を決して言いかけた58の言葉を遮るように扉が乱暴に開いた

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あきゅろす。
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