6 58はそこで一旦言葉を切るとちらり、と205を伺った 明らかに205に何か言葉を期待しているような瞳 ...どうしろってンだ 205は少しだけ考え言った 「...あーなんだろうな?腰巾着か?」 容赦ない205の言葉に58は項垂れながら言う 「...こ、腰巾着...」 「へェ、腰巾着、ですか」 馬鹿にしたような笑みを浮かべる春日に58は怒鳴る 「ばっ馬鹿にすンな!205サンの腰巾着なら本望だ!」 開き直る58に春日は苛立ったように告げる 「...貴方は本当に看守に対する態度を弁えませんね」 「テメェ相手に弁える気はねェよ」 春日を見返し58は挑戦的に笑んでみせた 「もうすぐBブロックの連中がここに来る...大勢な。どっちが弁えるべきか、利口ならわかるよなァ...?」 「...仕方ないですね...では205、また」 春日は相変わらず不機嫌そうに言い205にだけにこりと笑みを向けその場を去った 205は何も言わず春日の姿が消えてから58に声をかけた 「58。手ェ貸せ」 「はい!大丈夫ですか205サン...」 立ち上がるのに手を貸し背中をぱんぱんとはたきながら58は低く唸った 「背中が塵まみれだ...クソッあの野郎マジぶっ殺してやる...」 [*前へ][次へ#] |