10 「待て、樋野」 「なんだよ?」 「...今何人相手にしてる」 柴に問われ看守は天井を見上げながら指折りで数える 「...今は7人。」 「...十分だろうが...ソイツに手を出す必要があるとは思えん」 真剣な表情の柴に看守は眼を丸くした 「...あれれ?柴オマエもしかして」 「...何が言いたい」 「何って...まぁいいや。俺は退かねェよ?欲しいと思ったモンは絶対モノにしねェと気が済まないからな。」 看守はそう言い背を向けたが柴は食い下がった 「遊ぶだけならアイツである必要はないだろう」 「さぁどうかな」 はぐらかすように答え看守は柴を見ず続ける 「どっちにせよオマエには関係ない。そうだろ?」 「...まぁな」 看守に言われ柴は不服そうに答えた 「つか、俺まだ怒ってるからな、正一のこと」 「...それは」 「とりあえずもう行かせてもらう。俺自分でも大分待ったと思ってるし」 今回くらいは俺の番でもいいだろ?そう呟いて看守は部屋を後にした [*前へ][次へ#] |