20 ++++++++ 「...ここまで来りゃ大丈夫だろ」 はぁはぁと荒く息を乱しながら07は立ち止まった 大分走った為疲労が身体全体を包む 少し休むか... 座り込み呼吸を整える それにしても、と07は周りを見回しため息を零した やはりどこを見ても同じ景色 灰色の壁に灰色の床 白電灯に照らされた室内を見つめ07は膝を抱え二度目のため息をつく 柴の話で自分がいる場所はAブロックらしいことは解っているが残念な事に07には帰り道がわからない 「...俺ちゃんと帰れンのかな...」 07は呟き俯いた Aブロックは死刑囚と終身刑に処された人間達が入る場所だと以前205に聞いていたため囚人に道を聞くのは躊躇われる 先程襲われたことも考えればAブロックの人間に妙な期待を持つべきではない あの場に置いてきた柴の事もあり不安が頭をもたげ始める こうなるならあン時飛び出さなきゃよかったな... 内心苦々しく思いながら07は立ち上がった [*前へ][次へ#] |