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「...07のとこ行って来ます」
「...がんばれや」

205はひらひらと手を振り58を見送った
その背を見つめ軽く溜め息をつく

勿論205とて謝って済む問題ではないことは百も承知だ
だがそれでも謝りにいかせたのは58に分からせる必要があるからだ

07がこの刑務所においてどういう存在なのか
少なくとも205が手を出した事で07はただの"弱者"ではなくなった

閉ざされた環境の為すでに噂は刑務所中に届いているだろう
噂では07は自分の”オンナ”になっているらしい

205は特にその噂を否定はしなかった
面倒ということもあったがそれとは別に思う所があったからだ

205がボスをしている事に対して不満を持っている者達の存在を除けば
これで07に簡単に手出しをする者が減る

それに
面白そうだしな

誰にも聞こえないほど小さく205は呟く

退屈な今を壊してくれるような刺激を望めそうだとご機嫌な気持ちで205は口元を歪めた

一方謝りに行かされた58はドアの前で一人唸っていた

「...クソ」

正直な所58は謝りたくなどない

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