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「……わからんが、お前のいう事だ。やってみよう」
「そういってくださると思いました。なんだかんだと貴方のそういう所好きですよ」
「うるせぇよ」

結城の的確な情報操作で205は民衆にも広く知られるようになっていった

殺伐とした時代に現れた若き英雄、戦場の獅子という派手な二つ名とそれに見合う活躍
続く勝利の知らせに敗戦ムードが漂っていたとは思えぬ活気が国に満ちた

新聞には常にその二つ名が踊り、いつしか町を歩けば囲まれる程
沸き立つ民衆の熱は結城も205も予想した以上の影響だ

けれども205はそれを手放しで喜べるほど傲慢にはなれなかった
大きな期待は常に大きな失望と隣り合わせである事を205は知っている

期待させた分だけ失望は大変に大きいのだと

だがここで闘い続ける事を選んだ以上205は引き下がるわけにはいかなかった
結城の願いを叶えてやりたい気持ちもある

強く、あらねばと願った
鍛えた身体と同じだけ、否、それ以上に強く

だがいくら205と言えど全てが全てうまくいくわけがない

戦場で負った手酷い傷に205は倒れ、一時的に第一線を退いた
いつぶりだろうと思う程久しぶりの手負い、よりにもよってこのタイミングでと205は歯噛みする

派手な活躍をした分205が負傷した事で自国の士気が下がる事は予想ができた
敵国が鬼の首を打ち取ったがごとく勢いづいてしまうのも当然

「…クソ…ッまだ熱は下がらねぇのか」

連日の日刊を見つめ酷く落ち着かない気持ちで205は傷の痛みに顔をしかめながら結城に懇願する

「…こんな所で、寝てばかりいられねぇ、なぁ結城、闘わせてくれ」
「駄目ですよ205。今は安静にしなくては」



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あきゅろす。
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