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傾向/物語中心

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どれほど時間が経っただろうか
205はじっと己の膝を見つめ医務室の前で古びた木の椅子に座り待つ

ようやく医務室の扉が開き出てきた軍医に205は思わずというように詰め寄った

「…どう…ですか!?」
「命に別状はないですね。そこは安心していい」

そう言われ205は一度安堵の息をついた、だがそれに続いた軍医の言葉に目を見開く

「だけど、後遺症が残ります」

はっきりと告げられた残酷なそれに205は心臓をえぐられたような衝撃を覚える
理解が及ぶまでに少しの時間を要してからかすれた声で205は軍医に尋ねた

「…それは……どう……いう……」
「砕けた骨の破片が摘出不可能な範囲で残ってしまっている」

昔のようには戦えないだろうね。普通に暮らす分には問題ないけれど

それから先の言葉は205の耳にはうまく入ってこなかった

支倉はもう以前のようには戦えない

頭の内でその事実が何度も繰り返される
信じたくはない、と心が理解を否定しようとするが、そうもいかない

自然と肩が震え205はただ言葉を失うのみだ

自分が何をしでかしたのか、改めて頭に染みる
こればかりは本当に取り返しなどつかないことなのだ

軍医もその様子に気がついたのか肩を竦めながら205の肩にぽんと手を置く



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