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07と別れ205が先頭集団に追いつくとやけにドスのきいた声が響き渡った

「かかってこいよイヌ共、全員まとめてぶっ潰してやるからよぉ!」

所内では誰よりも目立つピンク色の髪の男、58は本人が狂犬とでも言わんばかりに暴れまわっている
ギラギラと反対に狩りを楽しむ獣のように目は細められその口は笑みに彩られていた

その場にいた数人の最後の一人の腹に容赦のない膝蹴りを叩き込み地面に沈めた所で205は声をかける

「…随分元気だな」
「あ、205サン!順調っすよ!久々に暴れてるんですげぇ楽しいです」

訪ねた205に58は振り返らずに答えた
声は状況には似合わない妙に陽気なものだ

「……それはなによりだな」
「…ちゃんと戻ってきてくれて安心しましたよ…205サン」

205はその言葉にいつもなら絶対に有り得ない威圧とトゲが含まれているのを感じそれ以上言葉を発するのをためらった
対する58は少しの間をおいて振り返る

赤い血で濡れたその顔は先ほどの楽しそうな声色からは想像できないほどに無表情だ

普段あまり58をまともに相手にしない205だがその表情の冷たさには思わず息を飲む
表情を失ったその顔で58は言葉を続けた

「…もしここで戻らなかったら俺はアンタをボスから引きずり下ろさなきゃいけなくなる所だった」

07に狩りの事情を説明していなかったことを58に告げて無理を言って向かったことに対してのそれなのだろう
了承はした58だったが内心では納得がいっていなかったらしくその目はあまり好意的なものとは言えない

「…ガキにうつつを抜かしてボスとしての職務を全うできないならその席に座らせる意味がない」

58の言葉に205はバツが悪そうに頭を掻く

「悪かった。もうあぁいった事はしねぇ…」
「お願いしますよ。俺は貴方にボスでいてほしいんです…07の事信じてやりましょう」

そう言う頃には58の顔はいつものそれに戻っていた


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