[携帯モード] [URL送信]
7

コンテナが閉まると車内がゆっくりと揺れ、トラックが走り出したことがわかった
見知らぬ囚人達に囲まれている事に圧迫感を感じながら07は乱れそうになる呼吸を必死で整える

やばい…気持ち悪い…

隣の人間の呼吸音が聞こえるほどの距離の近さに鳥肌が立つ
逃げ出すことなどできない状況なので気持ちを落ち着けるように必死で務めていると肩を叩かれた

「あ、あの…」
「…?」
「こ、これ…あの…え…と…自分の分をとって…回すように…と」

どもりながら言うと目の前の男はサンドイッチが入ったかごを回してきた
07は男からまわってきたかごを受取りひとつ手に取ると前の囚人に回す

サンドイッチを見るとこの皇都刑務所の飯とはくらべものにならない上質なパンと肉が使われている
それが逆に奇妙で、この状況にはあまりに不自然で寒気がした

…死刑前に食べさせるいい飯、みたいな…

どこかで聞いたようなうっすらとした噂を思い出し顔が曇る
そんな07の思考を遮るようにまた肩を叩かれる

「…早く食べないと…あの…看守に怒られますよ」
「…あぁ…そうか…サンキュ」

そっけなく返し07は手元のサンドイッチを口に押し込んだ
せっかくの上等なサンドイッチだろうが今の07には食欲が無いためこうでもしないと胃に入りそうもない

もくもくとサンドイッチを食べる07に男はまた声をかける

「No.07さん…ですよね」
「…そうだけど、何だよ」
「いや…あ、あの…噂に聞いてたみたいに…綺麗だなぁって」

興奮気味に少し息荒く言われ自然と眉が寄る
こんな状況下でそんなことを言われると余計だ


[*前へ][次へ#]

7/40ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!