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「…そうか」
<じゃ、また連絡するよ>
「…あぁ」

受話器を置き205はしばし沈黙する

"まともな人間かどうかは保証然ねる"

照らしい辛辣な答えだ

過度な期待は絶望を増幅させる
その言葉は間違いではないのだから

署長はそんな205を見つめ申し訳なさそうに口を開く

「豹壱、すまないな。アイツは嘘がつけない性格なんだ」
「いつものことだ。それより…しばらく一人にさせてくれねェか」

署長はそれを聞きそれ以上何も言わず部屋をあとにした
205は小さく息を吐き出し照の言葉を思い返す

生きているかもしれない、そう聞いただけで心に淡い期待が浮かんでしまうのは止められない

205が探しているその人物はもし生きていれば12歳程度の子供だ
もしかすれば自分の家族になるかもしれなかった存在

数回見ただけの記憶で顔はおぼろげだったがその小さな手に触れた時の事は今も覚えている
その時に見ていた幸せな夢を思いだし205は切なそうに目を細めた

残ったのは欠片程度の夢
それでも

「…なぁ葵、どんなことになっても、約束は守るからな」

205は目を閉じそう小さく呟いた


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