14 言いながら話をそばで聞いている署長に目をむける205 だがその言葉を聞き照は律儀だなぁ、と笑った <…そんなの作らなくたっていいのに。なら、俺が行こうか> 「お前が来たら色々と面倒だ。俺が行く」 <そうかな?まぁ俺目立つもんねぇ、俺の髪って真っ白だし> へらへらと笑うその声を聞きながら205は頭を掻いた …問題は白髪じゃなくて性格だけどな。 署長の息子であるこの男とは付き合いが長い 出会ってもう10年以上だが未だにこの男は理解できない部分の方が多かった 署長がかつて勤めていた政府の研究所に若くして勤めており、世間一般で言うところの天才 それも100年に一人とまで言われるほどの頭脳の持ち主だ だが205が知る限りでは天才というより頭がおかしい変人という方が正直イメージとしては根強い 一歩間違えれば死に至る投薬実験を己の肉体で試したりなど、全く自身を顧みない "死んだらその時はその時でしょ" そう言いながらヘラヘラといつも笑っている 今の205にとって政府は敵の位置にあたるが照にはそんなことは関係ない 面白そうという理由だけで205に協力してくれている 気分屋で予想のできない行動ばかり取るため、政府も手を焼く程の存在だ 天才でなければとっくに放り出されているだろう 「…ともかく、俺が出向く。狩りの後になっちまうが」 <ちょっと心配だけどまぁ死んだらその時は祈ってあげるよ> 「一言余計だ」 205が思わず零したため息に照はマイペースに笑う [*前へ][次へ#] |