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しん、と互いに言葉がないままお互いちらりと視線を合わせる
その沈黙を壊すように58は頭をガシガシと掻きながら07に声をかけた
「・・・あのよ」
「な、なんだよ」
「・・・悪かった。マジで」
言うと07はほんの少し表情を綻ばせた
「ん。」
「・・・殴らないのか?」
「なんかその気が失せた、だってお前もう殴られたみてェなひどい顔してるしな」
そう言われ58は自身の頬に気まずげに手をやる
自分でもわかる、本当にひどい顔をしていたはずだ
「58」
07はNoを呼びながら手を58の頭へ伸ばした
少し背が足らないのか背伸びをしつつくしゃりとその前髪を撫でる
「っ…な、なんだよ」
「…情けない面してたからさ。弟にはいつもこうしてるんだ」
「…っだ、誰が弟だよ!つぅかまたか!」
叫ぶ58に07は笑いながら告げる
「元気出せよ、もう仲直りだろ?」
「…っ…あ、あぁ」
屈託なく笑う07を見つめながら58は内心で苦笑する
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