3 胸ぐらを掴まれ視線を強制的に合わせられる 黒いまっすぐな瞳は相変わらず綺麗で、本当に綺麗でいたたまれない この世の終わりみてぇな顔してンな、俺 その瞳に映る自分は酷く情けない顔をしていた 07はそんな58を見上げながら言う 「俺はお前に前にされたことも、今されたことも絶対ェ許さねェけど、でも」 ぐっと何かをこらえるように息を吐き07は続けた 「…それでも、お前とダチでいてェと思ってンだ」 「07…お前…」 信じられない言葉に58はそれ以上言葉が出ない 拒絶を示されるどころかこんな ダメだ、期待なんかするな そう必死に自制をかける 期待が大きれば大きいほど失望した時が辛い もう気持ちは伝えてしまったのだ 戻れるはずがない 「お前、何言ってンだよ…俺の言ったこと忘れたのか…?」 怖くてもはっきりと拒絶してもらったほうがいい これ以上期待を持ってはいけない 07はそんな58の肩に手を添え言った [*前へ][次へ#] |