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「…っ!」
ビクンッと身体が跳ね205は目を覚ました
やけに鼓動が早く息が荒い
全身が嫌な汗でじっとりと濡れていた
幼い頃の悪夢に頭を抱え長い息を吐き出す
ドクッドクッと心臓に血液を送る感覚がやけに生々しく感じられた
「…っ…」
冷や汗と手の震え、
眩暈に吐き気
色々なものが押し寄せ気分の悪さに眉をしかめる
「…起きたのか」
聞き慣れた声に顔を向ければ白衣姿の署長の姿があった
205はからからの喉に痛みを感じつつ署長に訪ねる
「…アイツは、どうした」
「…帰ったよ」
その言葉に酷く安堵している自分に205は気まずい気分になる
結局幼い頃から自分は変わっていない
あの男が怖いままだ
…笑えねェな
幼い頃に刷り込まれた恐怖心を未だに克服し切れていない
子供ではないと署長に言ってこの様なのだ
「…」
「気にするな、私だって彼が怖いよ」
フォローするように苦笑いし205にタオルを手渡す署長
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