[携帯モード] [URL送信]

side story
名前をつけると情がうつる




「痛い痛い痛い痛い」


「あーもう、八咫ってば大人しくしててくださいよ。包帯まくだけで日がくれてしまいますよ!」


「いや、もう夜だし!暮れてるし」


「あんまりあばれると、包帯で首しめますよ」


それは勘弁


「もー…いつもはおとなしいのに…どうして今日はそんなに暴れるんですか?」


「なんかめちゃくちゃいてぇんだよ」


「どこがですか?」


「足のほう…」


「え…化膿しはじめたのかな…」


「いやー、それはないだろ。毎日消毒してるし」


「うーん…じゃあ何が原因なんでしょう…」


「なんか体重いし…最悪だ〜…」


「え?もしかして八咫…風邪じゃないですか?」


「えー…うっそー…」


「うーん…熱はないみたいですけどねー…」


「ちょ、ジン…額に額あてるとか…俺子供じゃないんだから…」


何照れてるんですか。こっちが恥ずかしくなるじゃないですか」


「あー、もう駄目だわ。ジン可愛すぎ。大好きだー」


「ほら冗談言ってないで布団かぶって寝ててくださいよ。布団ちゃんときないから風邪なんてひくんですよ」


「おかーさんみたいだなぁ…」


殴りますよ


「いやん、暴力反対」


「たく………布団もぐちゃぐ……………!?


「なしたジン?いきなり…」


「…………いや、その…なんか白くて長いものが………気のせい…かな」


「?」


「……………(布団めくる)!?(もどす)……───!!」


「ちょ、何。何なの」


「………自分で見てください」


「………?(布団めくる)!!?(もどす)……───!!」


「……………」


「……………」


「……………」


「…………白くて長いものが…」


「…………でしょ」


「…………なんだ、あれ…」


「いや、僕が聞きたいんですけど」


「と、とととととりあえず。ジン、助けて」


「嫌ですよ!動かないでくださいよ!!変に刺激して襲われたらですもん!!」


「俺はどうなってもいいのか!?」


「今まで大丈夫だったんですから大丈夫ですよ!!」


「そんな……!!つーかなにこれ、!?」


ですね」


「ちょ、なにこの距離。なんでそんな隅っこにいんの?」


「咬まれたら嫌ですもん」


「俺なんて足の上にいんだぞ!?」


「てゆーかなんで室内に蛇がいるんですか」


「知らねぇよ!窓から入ってきたんじゃねぇの?」


「ここ2階ですよ!?」


「あー、体重いのとか傷痛いのこいつが原因かなぁ…」


「なんで今まで気付かなかったんですか?」


「感覚ないから?体なまってんのかなー」


「いや、それにしても気付きますって」


「………(のぞく)……(もどす)やべぇ、こっち見てるよ」


「うーあー…毒蛇じゃないといいですね」


「お前だんだん他人事になってきたね」


他人事ですもん


「ヒドッ!お前変なとこお人好しなくせに、大事なとこで冷たいな!」


「はいはい。いいから蛇どうにかしてくださいよ」


「どうにかできるならもうしてるっつの!」


「うーん、餌とかでつれないかなぁ…」


「蛇って何食うんだ?」


「さぁ?」


「ダメじゃん」


「どうしましょうか…」


「つか俺…だんだん情がわいてきた」


「え!?」


「いやー、なんか可愛くね?目とか」


「えー」


「見てみって、ほら(めくる)」


「うーん…(のぞく)」
















「ちょっと…可愛いかも…」


だろー!」


「よーし、決めた!こいつの名前はシロだ!シロ!」


犬じゃないんだから。…………って、まさか飼う気ですか!?」


「うん」


「ダメですよ!マスターに怒られますよ!」


「大丈夫だって、蛇鳴かないし


「だいたい、餌は何を食べるんですか」


「さぁ?」


「ダメじゃないですか」


「あれ?さっき同じ会話した気がする」


しましたよ


「やだー、飼いたいー」


「だだっ子ですか。ダメなものはダメですよ!」


「ジン、おかーさんみたい」


殴りますよ?」


「あれ、これもさっき…」


しましたよ


「とにかくどけてくれよ。重い」


「えー、無理ですよ」


「大丈夫だって昔俺の友達がやってた」


「じゃあ八咫やってくださいよ」


「俺動けないの知ってるよな?」


「うー…」


「ほら、頭をガッチリつかんで…」


「…………咬まないでくださいよー…」


「一瞬でやれよ。暴れて危ないのは俺も一緒なんだからな」







「「……………………(ゴクリ)」」









「なにやってんだおまえら」









「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」」









「うぉ、なんだよ!?」


「驚かすなよ!!」


こっちが驚いたよ。なんだってんだ?」


「へ、蛇がいたんです」


「んなわけねぇだろ。ここ2階だぞ?」


「マジマジこんなでっかいやつ!」


「いねぇじゃねぇか」


「「え!?」」


「あー!いない!!」


「どこいったー!シロー!!」


シロ?」


「もー、マスターが驚かすからですよ!」


「は?」


「あーぁ、どこいっちまったんだー?」


「その窓からでていったんじゃねぇの?」


「そんなバカな!!」


「いいからもう寝ろ、おまえら」


「「はーい…」」







おわり。




††††††
この蛇はまたでてくるかもしれません。ぇ









あきゅろす。
無料HPエムペ!