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君を想う歌声
8
 

『チッ……仕方ねぇなぁ……
特別に許してやるよ』


どこの俺様だよ?
って言いたくなるけど、
今回は明らかに俺が悪い。
だから口には出さない。


『で、なんだ?』


なんだって……
そんなの俺が未だに
そっちに着いてない事で
察して欲しい……
つったって無理か……


「今門の前にいるんだけどよ……
どうやってこれ開けんだ?」

『は? 何? 未だに門の前にいんの?』


新の人をバカにしたような声が
聞こえてくる。

腹は立つけど反論はしない。

新の前では俺って
結構なビビりになるんだよ。
こんちくしょう。


「………………わりぃかよ…………」

『迷子にでもなってんのかと思った』

「は……?」


おい……流石の俺でも
今のは聞き捨てならねぇぞ。


「だ・れ・が、迷子だって……?
俺をいくつだと思ってやがる!」

『17だろ?』


そりゃ俺の誕生日は2月でおせぇけど、
一応は同い年なのに、
新はたまに俺を子供扱いする。

それが腹ただしくて仕方ねぇんだけど、
所詮新に噛みついたところで
叶う訳もなく、
いつも俺だけがむしゃくしゃしたままだ。


「………………もういい。
そんな事よりこの門だ。
どうすりゃいいんだ?」

『門の横にインターホン、
ついてんだろうが。
ほんっとお前って観察力ねぇよな』


門の横を見たら、
新の言う通り、
インターホンがあった。

うん。観察力ねぇのは認めるけど、
一言余計じゃねぇ?


「………………サンキュ、
じゃあこれから行く――…」


ブチッ…………ツーツーツー

最後まで言う前に電話を切られた。

何これ? いじめ?
俺って新に、
微妙に嫌われてるっぽいんだよな。
バカは嫌いだってはっきり言われたし。
でも俺、成績は悪くねぇよ?







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