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君を想う歌声
7
着信が十数件入っている。

その内の過半数が同じ人物からだ。

secret roseのベース担当、
SIN(シン)こと木崎新(キサキアラタ)

こいつがまた……
顔はいいんだけどな……

俺は本当は死ぬほど嫌だけど、
新に電話をかけた。
何故なら新がこの学校に通ってるから。

SERIも通ってるけど
SERIにはかけない。

だってヤバいじゃん?
バレたらさ……
だから初日位は他人のフリしねぇと。
でも気まずいのも事実なんだよな……
どうすっかな?


『おい!』

「あ?」

『電話かけておいて無視するたぁ、
いい度胸してんな、てめぇ』


新が電話に出ていた。

どうやら俺は新の事を
無視していたらしい。

新は若干……じゃなく、
明らかにキレている。


「悪い」

『つうか、お前はいつ来る訳?
もうとっくに一限始まってるけど?』


素直に謝ったら、
口調こそ穏やかになったが、
内容は嫌味……

しかし、一限始まったってのに、
堂々と電話してていいのか?
しかも、その口調で……
仮にも芸能人だろ?
いや、出てもらわなきゃ
困ったんだけどさ……


『いい加減にしろよ、てめぇ……』


またもいろいろ頭の中で考えて、
新を無視していたら、
新の地を這うようなドスの利いた声が、
電話口から聞こえてきた。

ヤバい……
本気でキレてる……


「いや、ホントマジで悪い。
許してくれ」


新は昔、族の総長やってて、
今は大分丸くなったけど、
キレるとすんげぇ恐い。
それこそ殺されるんじゃないかと思う程に。


『謝って済むと思ってんのか?』


今教室にいるとしたら、
確実に教室内に
ブリザードが吹いてると思う。


「悪かった。俺が本当に悪かったから、
機嫌直してくれ」


もうこの状態の新には
素直に謝るしかない。

ここで下手に新をブチギレさせたら、
新の周りにいるであろう奴らが可哀想だ。







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