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君を想う歌声
怒りはあっさり沈静化
妙な沈黙が漂う。

睨み合いを続ける俺と
遥輔さんを止めたのは、
理事長の訳の分からない一言だった。


「見つめ合い……いいわね……」

「はぁ?」

「はい?」


うっとりとした視線を向けられ、
ゾワゾワと鳥肌が立つ。

なんでだ!?


「おい……また俺とこいつの事で、
変な妄想してんじゃねーだろうな……」


口元をひくつかせながら、
遥輔さんが理事長に問い掛ける。


「何言ってるの? 遥輔……
私は変な妄想なんてしてないわよ。
唯…………」


一度言葉を切り、
理事長は大きく息を吸い込んだ。


「二人がベッドの上で
見つめ合ってる妄想をしただけよ!!」

「それが変な妄想だっつってんだよ!!」


堂々と大声で
人に聞かせられないような
発言をかます理事長に、
遥輔さんのツッコミが入る。

てか、見つめ合った覚え
無いんですけど……


「大体俺らは
見つめ合ってた訳じゃねーっての!
どう見たって睨み合ってたじゃねーか!」


俺の思っていた事を
遥輔さんも思ったらしく、
理事長にまくし立てる。

けれど……


「腐女子的目線で見ると、
見つめ合ってるように見えるのよ」


だそうだ。







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あきゅろす。
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