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君を想う歌声
3
 

「あ、あったあった!」


ようやく目当ての物を見つけたらしく、
理事長は数枚の写真を
テーブルへと放り投げてきた。

軽いせいもあって、
上手くテーブルに乗らず、
何枚かは床へと落ちる。

本当にこの人理事長なのか……?


「和臣」

遥輔さんは理事長が投げた写真を集め、
俺の目の前に順番に並べていく。

何となく遥輔さんに同情してしまった。


「…………お前が見たのはこいつらか?」


憐れみの眼差しを
向けている事に気付いたのか、
遥輔さんは一瞬微妙な顔をしたが、
話が逸れるのを避ける為に(多分)、
俺の視線をスルーし、
写真に写る奴らの事を聞いてきた。

俺自身、なるべく話を進めたいので、
横一列に並べられた写真を
順番に眺めていく。

写真は全部で6枚あり、
5枚目までに写る奴らは
確かに俺が伸した不良だった。

だが、最後の1枚に写る
白金髪の男を見た瞬間、
俺は首を捻った。


「う〜ん……こいつは違う……」


そいつの分の写真を横に退けると、
遥輔さんと理事長が、
二人揃って眉間に皺を寄せる。

なんなんだ……?







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あきゅろす。
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