君を想う歌声
2
余りにも予想外の返答に
俺は声を発する事も出来ず、
何度も瞬きを繰り返す。
それなのに頭の中は意外と冷静で、
遥輔さんを襲おうだなんて
度胸がある人いたんだ……
なんて暢気な事を考えていた。
俺って意外と冷静だったんだな……
そういえば今日は何食べよう……←(本当に冷静な人はこんな状況でそんな事考えません)
「和臣?」
ここの学食上手いといいんだけどな……
「聞いてるか?」
俺って食い意地張ってるから……
「聞けっつーの!」
「遥輔さん…………」
「あ? なんだ?」
段々イライラしてきている
遥輔さんにも気付かず、
思った事を口にする。
「ここの学食上手いです……か!?」
けど、途中まで言った所で
額にデコピンされ、
現実へと意識を戻された。
「現実逃避すんな。バカ」
「スンマセン……でも俺、
バカじゃないです。
ちゃんと転入試験受かったし……」
「そういう意味じゃねぇ!!」
じゃあどういう意味だ?
「お前ってホント……もういい。
話続けるぞ……」
訳が分からず、
首を傾げる俺に遥輔さんは
呆れたようにため息を吐いた。
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