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君を想う歌声
3
遥輔さんは昔、
全不良の憧れみたいな感じの人だった。

強くて、男らしくて、
それこそ男の中の男って言われてた位……

かく言う俺も遥輔さんに
憧れてた訳であって……

その遥輔さんが、よりにもよって、
こんな所で男と……
てか、遥輔さんは一体何してんだよ!!?


「和臣」


遥輔さんが俺を呼んだ。


「ちょっと入って来い。
色々言いたい事あんだろ?」


流石は遥輔さん……
俺の心境を的確に読み取ってくれている。

遥輔さんに促されるままに、
俺はフロントの奥の部屋に
入ろうとした……が……


「ちょ! ちょっと待って!!」


衝突して来た子が、
俺の腕を掴み、邪魔してきた。


「チッ…………」


それに舌打ちしたのは、
俺ではなく遥輔さんで、
遥輔さんはズカズカと
俺達に近付いて来ると、
無理矢理にその子の手を
俺の腕から引き離し、
軽蔑したような目で一瞥する。

その子も何かを言おうとしたのだろうが、
強面の遥輔さんを前に
何も言えずに口を噤む。

俺は遥輔さんに腕を引っ張られ、
フロントの奥の部屋へと入った。







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あきゅろす。
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