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(レギュ→シリ)







兄さんと同じ道を行くということ。
それは不死鳥という光の道を行くことだった。
決して行くことのなかった道。
けれど、闇の道へ進むことを悲しいと思ったことはない。
ナルシッサ姉さんもベラ姉さんも、ルシウス先輩もセブルス先輩も、バーティーだっているのだから。
なにより、父母の崇拝する闇の帝王と同じ道だったのだから。
兄さんと同じ道に行きたかった。
けれど兄さんとは一緒に生きていけない。
これはきっと僕ら兄弟の運命なのだから。
兄さんの目指す未来を僕は違う道から行くのだ。
僕は闇の中で生きる。
兄さんは、光の中で笑っていて。
この家は僕が守るから。

そう思っていた。
闇の帝王と生きることはこの家を守ることだと。
あのときが、くるまでは。

闇の帝王に忠実なしもべ妖精を渡せといわれたときに気が付くべきだった。
迫り来る惨劇を。
気付かなかった僕は、迷うことなくクリーチャーを差し出した。
「いいかい、クリーチャー。これはこの家にとっても、君にとっても、僕にとっても名誉なことなんだよ」
そうクリーチャーに言い聞かせて。
帰ってきたクリーチャーを見て、自分の行動をどれほど後悔した事か。そして全てを聞き、闇の帝王と共に行くことが間違いだと気付いた。
この家を守ること。
それは闇の帝王に跪き阿る事ではないのだと。
そして僕は闇の帝王に一矢報いる最後の賭けに出た。
たとえこの命がつきても、誰かがこの真実にたどり着いてくれることを信じて。
沈み行く湖の中で僕は自分を悔いた。
なんて愚かなのだ、と。
偽りだとしても兄を批判するなんて。
無理にでも一緒に行けばよかったと後悔があふれ出る。
ごめんね、兄さん。
僕は死んでしまうけれど兄さんは笑っていて。
どうか光の道を突き進んで。
明るい未来の先に平和と、兄さんの笑顔がありますように。




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