(ジェームズ誕生日.3/27.2010)学生時代
瞳 の 奥 の 望 み
「おい、スニベリー!」
時々わからなくなる。
僕は誰で、何のためにここにいて、何をしているのか。
くだらない。
全てがくだらない。
「何のようだ、ポッター」
ああその心底嫌そうな顔が堪らない。
彼だけが真剣に問いかける。
凍てつくような眼差しで お前は何だ と。
嬉しかった。
大概のものが僕に向ける瞳は尊敬とか、憧れとか、好意だった。
だけどそんなものはもういらないんだ。
誰か僕に憎悪とかそういうものを向けてくれればいい。
そうしたら、僕はもう壊れないですむのに。
ホグワーツにいた七年間、正面からその瞳を向けてくれたのは二人だけだった。
リリー・エバンズとセブルス・スネイプ。
だから僕の中で彼らは特別で、格別で。
親友たちとは違う大切さが、そこには確かにあって。
だからこそ僕はリリーを愛した。
嫌がってくれたらいい。
でも、好きになってくれたら嬉しい。
セブルスもそう。
いじめていじめて、それでも僕に反抗し続けてくれたらいい。
臆してひれ伏したりせずに僕を憎み続けてくれたらいい。
僕の彼らを大切に思う行為は酷なのだとリーマスに言われた。
それは愛ではない、と。
それでも、それでも僕は。
他とは違う瞳を向けてくれる彼らをどうしようもなく愛しているのだ。
彼らがいるからくだらない世界だと生きる事をあきらめてしまわないですむのだ。
多くの者が僕をたよりに生きていくのなら僕にだって支えがあってもいいだろう?
彼らを支えにしても良いだろう?
彼らの前では完璧じゃなくても許されるだろう?
親友たちの前では王様でいてみせるから。
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