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(シリ+ルートン)5〜7巻







「僕はもう、わからない」
その時リーマスははじめてシリウスに相談した。
愛しているのに、一緒になれない彼女のことを。
「愛してるんだろ…?」
「だから…僕にはできない!彼女の未来を壊せない!奪えない…!」
会うたびに思いは募る。
消せないほど濃く、深く。
シリウスは泣きそうな苦しそうなリーマスを見て心の中で呟いた。
(リーマス、お前は優しすぎる。お前の優しさは時に酷いんだ…。大切なものほど遠ざけようとする、その優しさは…)
そからリーマスの肩に手をのせて言った。
「俺はお前と出会って、親友になれたことを悲しいと思ったことはない。むしろ幸福だった。お前が自分で思っているよりもずっとお前は価値のある人間だよ」
リーマスは思いがけない言葉に思わず耳を疑った。
「価値の、ある…?」
「ああ、お前は失うにはあまりに惜しいほどの価値を持っている。そんな人間に愛されて嫌なやつはいないと思うよ」
その言葉を否定させないほど鮮やかに笑って見せた。
また、そんなことをするほどリーマスは子供ではなかった。
そしてリーマスはありがとう、と呟いた。
だた彼の絶望は暗く深いものだった。
「ねぇシリウス…何をしたら正解なんだろう?彼女を幸せにできない僕には結婚することが正解には思えないんだ…そうだろう?」
人一倍優しいがゆえに。
「正解なんてない。正しいと思うことをすればいい。お前がじゃない、お前たちが2人がだ」
シリウスの言うことは正論だった。
しかし正論は現実を、存在を変えてはくれない。
「でもきっと私は彼女を傷つけてしまう…!」
苦しい、苦しいと聞こえてくるような声だった。
「好きなだけじゃどうにもならないことだって、あるんだ…」
もともと短気な性格だったシリウスは思わず怒鳴った。
「恐れるだけじゃ何も変わらないだろ!」
大好きな大切な親友。
狼人間という壁。
だがいつまでもその壁を理由に人を近付けないことは間違っている。
「お前はお前のままでいい。トンクスはそのまんまのお前が好きなんだよ。トンクスだけじゃない。俺達だって…!気づいてないとは言わせないぞ!それはお前が簡単に否定していい気持じゃない!」
叫び終わるとしばしの沈黙が下りた。
しばらくして2人が同時に口を開いた。
「「ごめん」」
言いすぎたことをわびるため。
傷つけたことをわびるため。
「ありがとう、シリウス。ちゃんと、考えてみる…」

その時を境に回りはじめたリーマスの幸せは、シリウスの死によってせきとめられる。
しかし、その後ダンブルドアのによって再び動き出す。

「好きよ!リーマス!」
トンクスは泣き笑いでリーマスに抱きついいた。
「幸せになろう、応援してくれたシリウス…みんなの、ために…」
リーマスは優しく微笑み返した。



あきゅろす。
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